スライダー凄い投手といえば誰でしょうか?

最近でスライダーが凄い投手といえば、

ダルビッシュ有投手、田中将大投手、岩瀬仁紀投手などでしょうか?

しかし、彼やよりも遥かに凌ぐスライダーを投げていた投手が、かつていました。

元ヤクルトの伊藤智仁投手です。

伊藤投手はまさに天才であり、伝説の投手なのです。




多くの野球関係者が伊藤投手のスライダーの凄さを語る

多くの当時の野球関係者が伊藤投手のスライダーの凄さについて語っています。

伊藤投手が全盛期の頃の広島のクリーンアップを打っていた金本知憲さん(現阪神監督)は、

野村監督に

「野村さん、伊藤のスライダーはスライダーじゃないですよ」

といったそうです。
(出典:野村克也著の「最強のエースは誰か?」)

「最強のエースは誰か?」の中で野村さんは、この金本さんの言葉をこう解釈しています。

「金本が言いたかったのはこういうことだ。普通のスライダーはもっとバッターから離れたところから曲がり始める。
ところが伊藤が投げるスライダーはフォークボールのように、バッターの体の近くで急激に変化する。
バッターにはボールが視界から突然消えるような感覚があるらしい。だから、これに対処するにはスライダーではなく、
フォークボールを打つ感覚で対応しなければならないということだ。」

と本で語っています。

ヤクルト、巨人、阪神の3球団で4番打者だった広澤克実さんは、

「右バッターの背中にぶつかりそうなところから来て、外角いっぱいにおさまる。それもギリギリまで真っすぐ来て、体の手前でピンポン球みたいに鋭く曲がるんです。打者は自分に向かってくる球を“これはスライダー”と信じて振るしかないが、必ず腰が引ける。杉内俊哉(巨人、2002年~)、ダルビッシュ有(レンジャーズ、2005年~)のスライダーも素晴らしいけど、伊藤のほうが速くてよく曲がった」(出典:週間ポスト)

というような表現をしています。

少し野村さんと広澤さんでは、表現が違いますが、

ありえないような曲がり方をするスライダーだったということだと思います。

全盛期の伊藤投手のスライダーを受けていた元ヤクルト捕手の古田さんは、

「あの高速スライダーは捕手だからなんとか捕球出来ているが、もし自分が打者だったら絶対に打てない」

と言っています。

そして、また、野村さんはですが、

「長いこと監督をやってきたけど、あいつがNo.1だよ」(出典:wikipedia)

と、かつての教え子に最大限の賛辞を送っています。




しかし悲運の天才投手だった

しかし、伊藤智仁投手は、悲運の天才投手でした。

新人の年、150キロのストレートと上で書いた高速スライダーでいきなり大活躍しましたが、

7月にはひじ痛で、戦線離脱してしまいます。
(野村監督がコーチ陣の助言を聞かず、球数を多く投げさせたのも原因の一つのようです)

その後、約3年間をほとんど棒にふり、

1997年に本格復帰しカムバック賞を受賞しますが、

その後もひじ痛や肩痛に悩まされる投手生活で、

1993年ほどのインパクトは残せませんでした。

伊藤智仁投手のこれだけ凄い評価は、1993年のたった3か月だけのもの。

あの短い期間に残したインパクトがすさまじく、

伝説の投手として、今なお崇められている投手なのです。
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